歯根端切除術と意図的再植術
外科的歯内療法について
まず、根管治療(歯髄の治療)には大きく分けて2つあります。
- 歯の咬む面に穴を開けて根の中を掃除する従来の方法
- 被せ物を外したり咬む面に穴を開けずに行う方法(外科的歯内療法)
この外科的歯内療法とは、根の先端に出来てしまった病変に対する外科的な治療法です。
具体的には、歯根端切除術と意図的再植術があります。
歯根端切除術
感染部分(主に根の先端)を外科的に除去します。
麻酔後に歯肉を切開し、根の先端にアプローチします。
根の先端除去後、その切断端をマイクロスコープで確認します。
その後切断端側からMTAを詰めて切開部分を縫合します。
術後1週間位は腫れたり痛みが出る場合がありますが、徐々に治癒していきます。
マイクロスコープを用いた歯根端切除術は高い成功率であることが報告されています。
ただし、解剖学的理由によっては手術ができない場合もあります。
その場合は意図的再植術を行います。
意図的再植術
意図的再植術は、解剖学的に制約がある場合に多く用いられる外科的な治療方法です。
この方法では麻酔後に歯を抜きます。
その後、口腔外で抜いた歯根の先端を切断します。
切断端と根の全周をマイクロスコープで確認し、切断端側から材料を詰めます。
最後に歯を元の場所に戻します。
※外科的歯内療法のみでは対応できない場合
- 根管治療が無菌的環境下で行われていない場合
- 根管の中の材料が緊密に充填されていない場合
- 被せ物や土台に隙間や虫歯がある場合
上記の場合、根の先端だけを除去しても再発のリスクが高いとされています。
外科的歯内療法は保存の最終手段であり、それでも経過が良好でない場合は抜歯の適応になる可能性があります。
歯根端切除術 | 150,000~180,000円 |
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意図的再植術 | 110,000~130,000円 |