顕微鏡歯科治療
顕微鏡歯科治療の必要性
歯科用実体顕微鏡(以下マイクロスコープ)を使った治療の特徴は、肉眼では見えないものを拡大し、可視化(よく見えるように)することで歯科治療のあらゆる分野で質の高い精密な治療が行えます。
顕微鏡歯科のメリット
拡大観察ができるので、今まで見えなかった手探りだったがゆえに取り残されていた感染部分をキレイにすることができます。
また逆に削ってはいけない部分は慎重に避けて処置することができ、結果として治療の成功率が飛躍的に高まります。
また治療中の歯の様子も撮影できるので、お口の中の状態や治療後のご説明にも活躍しています。
顕微鏡歯科のデメリット
細部まで見え通常よりもきめ細かい治療となりますので、一回の治療時間が長くなります。一日に診察できる患者数に限界があります。(顕微鏡歯科治療の場合4〜5人/日 です。)
マイクロスコープ使用例
ダイレクトボンディング
虫歯の治療をする際にマイクロスコープを使用することで、健康な歯質を可能な限り削ることなく虫歯を除去することが出来ます。
その後修復に使用するコンポジットレジン(歯科用高強度プラスチック)の詰め物はとても繊細な材料です。
コンポジットレジンを積層充填(何種類ものレジンを少しずつ何層にも重ねて詰める方法)することで、微細な色合いを再現していきます。
丁寧に時間をかけて修復することにより、美しさと適合性を兼ね備えた仕上がりになります。
そして何よりも再治療の確率を減らすことが出来ます。
根管治療
マイクロスコープを使用することで複雑な根管内の治療を精密に行うことができます。
例えば虫歯を除去し歯髄が露出してしまった場合でも神経を残す治療があります。
虫歯の大きさや歯根破折などにより適応できない場合もありますが、歯の寿命を伸ばすためには神経を残すことが非常に重要です。
また神経が細菌感染してしまっている場合は神経を取り除いていきます。この時、根管内を無菌的に治療し封鎖します。
パーフォレーション(歯の根に穴が開いた状態)の治療や根管内で破折した器具の除去等を精密に行うことにより再治療のリスクを減らすことができます。
歯周治療
歯周病は歯周病原細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患です。
顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することにより、歯と歯肉の境目の歯周ポケットに確実に器具を入れることができます。また肉眼では見えなかった病原細菌の除去が可能となりました。
その他歯周外科治療でも活躍しています。
審美修復治療
患者様のお口の中の状態を見ていただいたり、精密審美修復やインプラント治療などに活躍しています。